皆さまはプラトーという用語を聞いたことがありますか?
リハビリ関係では聞き馴染みのある用語ですよね。
Plateauは高原を語源として一時的な停滞状態を意味するようです。
リハビリではそれを片麻痺の機能回復の限界点と教科書で教えられる一般的な用語です。
日本の医療は、機能回復の限界点と言われる3ヶ月を目安にリハビリが打ち切られる、またはもっと早く打ち切られる場合が多々あります。
今でも医療関係者の間では、この古臭い考えを一般的な常識として捉えている方が多いと思います。
脳科学などの分野が発達する昨今では、脳の機能回復は程度の大小はあれど終わりはないと言われるようになりました。
以前、ブログでごちゃごちゃになった脳内の配線をつなぎ直す仕事がリハビリの仕事であると述べましたが、そういった手続きが脳の神経ネットワークの修復。つまり学習であり機能回復となると認識しています。
個人的な意見を付け足すと、脳梗塞といった脳血管疾患を患うと脳は一時的に活動をストップします。(機能乖離)
壊れてしまった部分をさらに駆使して使い続けることで起こる神経系へのダメージを最小限に抑えるために、一旦傷ついた部分と周辺を休めます。
ちょうど脳がお休みに入ったころに急性期のリハビリが始まり、1,2,1,2と運動が開始するわけですね。
本来なら生体反応で一時的に脳がお休みしているのに、身体を動かすよう言われ脳は休めなくなりますね。
そうなると脳のお休み期間が長期化していくんです。
この時期、本来なら脳にとって刺激の強くないことをリハビリで行っていくことは良しとされる風潮があります。
強くない刺激とは感じることと、そのことで得られる予測や運動イメージをしっかり作る。無理な運動は避ける、装具をつけてまで無理して歩かない、全体的に無理をしてまでするような練習を避けることが機能乖離を徐々に解除に導くこととなります。
プラトーの話から少し離れましたが、機能乖離という観点からみても、急性期から無理をして力一杯に頑張る必要は、個人的にはないと思います。
ちなみにこの乖離した状態は少しずつ解除されていくものでもあります。そういった所から脱出する時期が、個人差はあれど3ヶ月〜と言われますので、先ほどのプラトーの時期と並びます。
なので本来は機能乖離した状態から脱すると思われる、3ヶ月目以降がかえってリハビリを積極的やる時期の一つであるとも認識しています。(少し言い過ぎでしょうか?)
要は皆さん諦めないでください!
3ヶ月経ったからといって治らないわけではないです。どんな脳の中の神経システムを作っていくかで、皆様のお身体は変わっていくものと期待しています。
時期にすると、3ヶ月が経過する頃に退院し、その後リハビリもあまり受ける機会がないとなれば、せっかくの回復の可能性を勿体なく思います。
むしろ今からだって脳は学習します。
学習することで新たな神経システム、回復は起こり得ます。
希望を諦めないでください。
何かありましたら、いつでも相談に乗ります。
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